ABAによる早期集中療育とは?(自閉スペクトラム症)
EIBI (Early Intensive Behavioral Intervention)とは?
自閉スペクトラム症の懸念があった場合、もしくは診断を受けた場合、ABAを使った「早期集中療育」という言葉に出会った方も増えてきたのではないでしょうか?アメリカで初めて科学的研究にその劇的な効果が報告されたのが80年代後半なので、すでに40年近くも前から始まっているものです。現在はその効果が様々な他の研究でも確認されています。科学的な根拠・証明があるために、アメリカでは多くの州で健康保険や州の資金的な補助を受けて、ABAの療育を得られる家庭も増えました。BCBAと呼ばれる専門家によって監督される療育です。
「早期」とは、一般に療育を2、3歳(もしくはそれ以前)から始めることで、「集中」とは、一般に週に少なくとも20時間以上(1日4時間で週5日など)という大量の時間での療育を受けるということです。BCBAのような高学歴(大学院の修士号以上)の専門家が20時間と言った時間の療育をするには、運営資金が莫大になってしまうので、多くの場合プログラムの管理運営をBCBAが行い、その元でトレーニングとスーパーバイズを受けたセラピストが実際の療育を担当します。多くの場合、家庭訪問で療育が行われますが、センターや教室などで行われる場合もあります。
療育の内容は一般に、私たちが普通に使っている行動を細かく分解し(スモール・ステップ)、1つ1つ丁寧に褒めて増やして行く(強化を使う)形で行われます。例えば、模倣(真似をすること)、マッチング(同じもの同士を合わせる等)、聞き手スキル(言われた物を見つける、言われた動作をする等)、話し手スキル(要求すること、物の名前をいうこと、言われたことを繰り返すこと、質問に答えること)など、それぞれを丁寧に強化して増やして行きます。この丁寧さが、膨大な時間「集中」して行われなければいけない理由ともなります。
「様子を見ましょう」ではなく、丁寧に一つ1つスキルを教えていくことで、「一生の問題」と言われる自閉スペクトラム症と呼ばれる子どもが、定型発達の子どもの発達に少しでも近づいたり、今までにできないことができるようになったり、世界が広がったりすることが、ABAの早期集中療育の原点です。
※このコラムは、弊社最高臨床責任者の竹島より許可を得て、下記URL先のサイトから転載しております。
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