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株式会社 エルチェお知らせ言うことを聞かない子にはどう対処すれば良いの?
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言うことを聞かない子にはどう対処すれば良いの?

癇癪の酷い子どもには

 

親相談をしていて、お母さん/お父さんから良く耳にする言葉があります。

 

「うちの子どもはテレビをつけていないと、ご飯が食べられない。」
「ハンバーガーショップの前を通ると、ポテトを買わずには通り過ぎられないので、ハンバーガーショップの前を通らないように気をつける。」
これって、ちょっとおかしいと思いませんか?「テレビを見ないとご飯が食べられない。」などと言った、そんな子どもはいません。発達障がいを専門にしていますが、「テレビがないと生きられない病」や障がいはないのです。子どものしたい事、やりたい事を中心に考えるあまり、子どもにルールを決めさせてしまったのではないでしょうか。

 

幼児は大人と違って言葉の発達が進んでおらず、特に発達障がいがあれば、言葉の発達が遅れる分、そのコミュニケーションの取れない事が原因となって、問題行動を起こしてしまう事があります。その場の問題行動を抑えるために、家庭のルールを変えざるを得なかった家庭もたくさんあると思われます。ただし、その場しのぎの戦法では、長期的には家庭で子どもにルールを決めさせてしまう事になり、親の思い通りの教育が出来ない事になってしまいます。

 

教育の一番の大前提は、

1)(子どもではなく)親が、ルールを決める
2)ルールが守られた/守られなかった場合どうするのか決める
3)決めた事項を実行する
ということです。

例えば、ストーブの火に子どもが手を伸ばしてしまうとします。「ストーブの火には手を伸ばさない。」という大人ならば当たり前のルールを子どもは理解できないので、ルールをしっかり作って大人がそれを教えてあげる必要があります。ルールが決まったら、「手を伸ばさなかったときには、何分か毎にしっかり褒める。」「手を伸ばそうとしたときに、しっかり叱る。」といったルールを守った時/守らなかった時の対処も決めておきます。言葉の話せる話せないにかかわらず、良いことはしっかり褒めて、ルール違反はしっかりと取り締まる、といったことを通して、ルールに従うことを教えるのが親の仕事なのです。親がこの役割を果たさなければ、教育どころか、子どもの安全をも守る事もままなりません。

 

この家庭でのルールを使いこなすということが、意外に出来ておられない家庭がたくさんあります。極端には、私が問題行動の悩みの相談で家に行って、親の代わりにしっかりと子どもにダメと言って、それだけで事足りて帰って来ることもあります。もちろん「ストーブに触らない」「道路に飛び出さない」といった安全ルールの例は、どの家庭もやっておられるでしょう。しかし、おもちゃの片付け、買い物の際のマナー、食事中に座ることなど、特に危険でないことになると、子どもの好きなようにルール決めさせてしまう家庭が多いのです。これを続けると、子どもに「好きなようにやって良い。」といった子ども主導の生活習慣がついてしまいます。本当に親の言うことに従うことが重要になった時に、どうにも手がつけられない、「ルールを守れない」、「親の言う事が聞けない」子どもに育っても仕方がないでしょう。

 

ルールの正当性について子どもと議論してしまう家庭もあります。もちろん理由を説明してあげることも大切なのですが、子どもを教育するにおいてもっと基本的なのは、「親が決めたルール(理由のあるなしに関わらず)に従う。」という訓練をしていくことです。特に幼児の教育を見た場合、親が子どもに大切な事は一番わかっているので、いちいち子どもに議論の余地を与える必要はありません。親が「ポテトも食べたいだろうし、悪いなあ」と泣いたらすぐにハンバーガーショップに向かうようでは、子どもにルールを教えることができないのと同じです。ルールを決められない、教えられない家庭では、子どもが安全な生活を送り、そして日々様々なことを学ぶことが妨げられてしまいかねないのです。

同じくらい重要なことは、親が子どもの良い行動を褒めることです。「できて当たり前」はないのです。子どもがルールに従えていることをしっかりと褒めていない場合は、子どもが言うことを聞かなくて当然です。「すごかったよ」この一言が、子どもの行動を大きく変えるのです。

 

※このコラムは、弊社最高臨床責任者の竹島より許可を得て、下記URL先のサイトから転載しております。
http://kojitakeshima.com/26.html